SNSで反応される飲食店写真の撮り方|switch.houseから学ぶ店舗撮影のコツ

飲食店の魅力は、料理のおいしさだけではありません。そのお店の光、色、家具、そして“人が見えること”も大切な要素です。
写真を通して「一回行った気になる」くらいリアルに感じられることで、初めてのお店でも来店のハードルが下がります。実際、誰しも“初めて入るお店”より“2回目、3回目に訪れるお店”のほうが入りやすいもの。その感覚に近づけるためにも、“人が見える写真”を意識しています。
そしてSNS時代のいま、写真のクオリティはそのまま「行ってみたい」「また行きたい」というアクションに直結します。
今回は、南魚沼市六日町にオープンしたカフェ「switch.house(スイッチハウス)」さんの撮影を例に、店舗写真がもつチカラと、伝わる写真のポイントを3つに分けてお伝えします。
私は撮影前に、できるだけじっくりとお店の方からお話をうかがうようにしています。「よく見せる」ことももちろん大事ですが、「ありのままを見せる」ことを最も大切にしています。
特に意識しているのが「このお店がいちばん推したいポイントはどこか?」ということ。限られた時間のなかで、店舗の魅力をしっかり写真に落とし込むことで、より多くの人に届けたいと考えています。
外観写真のコツ|“たたずまい”で惹きつける


まず大切なのは、お店の第一印象ともいえる外観の写真です。 switch.houseさんでは、赤いドア、開店祝いの花、そしておふたりが並んで座るカットを撮影しました。車が横切るタイミングをあえて残したことで、通りにある日常感と“今この瞬間”が重なり、動きのある1枚に仕上がりました。
→ SNSでは一瞬のスクロールで印象が決まる時代。外観写真はお店の“顔”として、魅力と世界観がしっかり伝わるように構図と光を意識
新店舗の場合は特に「あっ、ここね」と思ってもらうのがとっても大切。
店内写真のコツ|“整えすぎないリアルさ”を意識



switch.houseさんの魅力のひとつが、あえて揃えていない家具や照明。クラシックなスピーカー、昭和レトロな雑貨、アンティークの椅子たち。それらが混ざり合っても破綻しないのは、空間としてのバランスが取れているからです。
店内を撮るときは「片付けすぎない」ことを意識しています。たとえば使いかけのコーヒー道具や読みかけの本、ちょっと曲がった椅子——そういう“リアル”があることで、見た人の想像がふくらみます。
→ 整いすぎた写真は広告っぽくなりがち。「そこに誰かがいた」と思わせる、人の気配を感じる構図がおすすめ
また「引き」と「寄り」も意識することで、マクロからミクロの視点でお店の魅力を表現することも重要です。
料理写真のコツ|「光」と「背景」で伝えるおいしさ





今回は特別なライティング機材を使わず、基本的には自然光と室内の照明のみで撮影をしました。そうすることで、実際にお店を訪れたときとの“見た目のギャップ”を避けることができますし、お店の明かりそのものが、そのお店の個性だと考えているからです。
switch.houseさんの看板メニュー「キーマ&チキンのあいがけカレー」。鮮やかなターメリックライスと、とろりとした2種類のカレー。それぞれの質感や色味を引き立てるには、自然光や室内照明の使い方がポイントです。
室内のやわらかい光を活かし、自然な色味と立体感が出るように意識しています。寄ったカットと引いたカットを組み合わせることで、料理だけでなく「その料理が運ばれてくるお店の空気感」まで伝えられます。
さらに、お店の方が料理を運んでくる様子や、お客様が楽しそうに食べているカットを加えると、SNS投稿での反応も大きく変わってきます。
→ 料理写真に“あたたかさ”を出すには、光と人と背景の3点を意識
思い切って寄ってみると思わず目を引く一枚になることがあるのでお試しあれ。
SNSで反応される飲食店写真の撮り方|switch.houseから学ぶ店舗撮影のコツまとめ



写真は、ただの「記録」ではなく、「記憶」や「気持ち」に残るもの。だからこそ、お店のストーリーや空気まで写し込むことが、これからの飲食店撮影には必要だと思っています。
なかでも大切なのが「人が見える」こと。
ありがたいことに「料理が美味しくないお店」はもはやありません。
「美味しい」だけでは他店との差別にはなりません。
そこにいる「人」で選ばれる時代になりました。
そう、あなたです。
「うちのお店にも、写真で伝えきれていない魅力があるかも…」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。